第14回環境研究シンポジウム

「レジリエントな社会・国土を創る環境研究」の開催にあたって

 環境研究機関連絡会は、環境研究に携わる国の施設等機関、国立研究開発法人及び国立大学法人の研究機関が情報交換し、環境研究の連携を緊密にしながらそれぞれの環境研究に係る活動を推進するとともに、その活動及び成果を広く社会にお伝えすることを目的としています。このため、当連絡会では毎年「環境研究シンポジウム」を開催し、広く研究者や行政関係者、市民の皆様に最新の環境研究の成果を発信してまいりました。

 さて今回、第14回環境研究シンポジウムのテーマは、「レジリエントな社会・国土を創る環境研究」です。レジリエントとは、弾力的な、あるいは回復力のあるという意味の英語です。自然災害などの脅威に対して弾力性や回復力のある社会や国土を創るための環境研究、それが本日のテーマです。

 天災は忘れた頃にやってくるといいますが、今の日本は、地震、火山の噴火、台風、豪雨などによる災害が忘れる間もなく起きています。今年も、4月の熊本地震、8月から9月に相次いで日本列島を襲った台風などにより、日本各地で激甚な災害が発生しました。亡くなられた方々のご冥福と、被災された地域の一日も早い復興をお祈り申し上げます。

 大型の台風など、極端化する気象現象により災害のリスクは、将来も高まると予測されています。災害の脅威に備え、安心して安全に暮らせる社会と国土を作るため、私たち環境研究に携わる研究機関がどのような研究に取り組んでいるか、本日は、それを皆様に見ていただくために、このシンポジウムを企画いたしました。各研究機関で環境研究に従事している第一線の研究者がそれぞれの研究成果をもとに、最前線の成果をお届けします。

 あわせて、各研究機関の環境研究の成果を約100題のポスター発表として展示しております。本日お越し頂きました皆様には、講演はもとよりポスター発表を通して、私たちの研究活動にご理解を頂くとともに、忌憚のないご意見を賜ることができましたら幸いです。



(平成28年環境研究機関連絡会事務局)                
国立研究開発法人森林総合研究所 理事長 沢田 治雄