第9回環境研究シンポジウム

講演5 海における「水」の役割
『河川水資源の有効利用を目指して ~沿岸の水産資源を守るために~』

発表者:独立行政法人水産総合研究センター(FRA) 瀬戸内海区水産研究所 生産環境部 環境動態グループ 主任研究員阿保 勝之
情報提供機関:独立行政法人国立環境研究所

概要

水質汚濁防止法では瀬戸内海、東京湾、伊勢湾が水質総量規制の対象となっており、一定の水質改善が見られている。その一方で、瀬戸内海においては栄養塩不足によるノリ不作が顕在化している。講演では、陸域からの栄養塩負荷が定次生態系に及ぼす影響について概説するとともに、瀬戸内海において栄養塩共有の低下がノリ養殖などの水産業に与えている負の影響について述べる。さらに、陸域から供給される栄養塩の有効利用など、水産資源にとって最適な栄養塩環境を維持するための対策についても述べる。