第9回環境研究シンポジウム
講演3 生活に利用する「水」の創出 『ジオマテリアルによる水環境浄化』
発表者:独立行政法人物質・材料研究機構 環境・エネルギー材料部門 環境再生材料ユニット ジオ機能材料グループ グループリーダー山田 裕久 |
概要
「21世紀は水の世紀」といわれるほど、安全な飲み水の確保が重要となる。また、様々な人間活動により、我々の生活基盤である土壌の多くが汚染されている。21世紀の健康で安心・安全な持続的社会の実現には、ダイオキシン類などの有害化学物質、六価クロム等の有害重金属、アンモニア・ヒ素等の水質汚染物質、トリクロロエチレン等の地下水質汚濁物質、VOC(揮発性有機化合物)、放射性廃棄物などにより生じた様々な環境問題を克服しなければならない。そのためには、環境にやさしい汚染水・汚染土壌の浄化材料が必要となる。特に、安全な飲み水の確保が難しい地域は、浄化後の安全な廃棄技術も必須となる。
自然には、人間の力を借りずとも浄化されているケースが数多く存在する。46億年の地球史で検証された「最も環境負荷の小さい完璧な循環・高い機能」に注目し、地球を構成する主要な岩石鉱物(ジオマテリアル)およびその仕組みを模倣・技術化・利用することにより、様々な環境条件で適応可能な水環境再生材料・技術の実現を考えている。
本講演では、グローバルな水環境汚染状況を紹介し、その対策として特にヒ素・重金属を選択的に吸着する材料の開発について述べる。さらに、福島第一原発問題による放射性物質の回収・除去の技術開発へのNIMSを中心とした研究グループ活動を紹介する。
環境研究機関連絡会の参加機関
- 国立研究開発法人防災科学技術研究所(NIED)
- 国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)
- 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(NARO)
- 国立研究開発法人森林総合研究所(FFPRI)
- 国立研究開発法人水産研究・教育機構(FRA)
- 国立研究開発法人産業技術総合研究所(AIST)
- 国土交通省気象庁気象研究所(JMA)
- 国土交通省国土技術政策総合研究所(NILIM)
- 国立研究開発法人建築研究所(BRI)
- 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所(PARI)
- 国立研究開発法人土木研究所(PWRI)
- 国立研究開発法人国立環境研究所(NIES)
- 国立大学法人筑波大学