第9回環境研究シンポジウム

講演1 空からの「水」の将来 『台風、梅雨は将来どう変わるのか?』

発表者:国土交通省気象庁気象研究所 気象研究部 室長楠 昌司
情報提供期間:国土交通省気象、独立行政法人海洋研究開発機構、独立行政法人国立環境研究所

概要

日本の気候にとって台風や梅雨の変動は非常に重要である。しかし、温暖化予測に一般に使われている気候モデルでは、大気の水平分解能が低く、台風や梅雨を再現することが難しい。そこで、気象研究所では、「地球シミュレータ」というスーパー・コンピュータを用い、20km格子の全球大気モデルで温暖化予測実験を行っている。このモデルは、現実的な台風や梅雨を再現することができる。地球が温暖化すると、台風の数は減る傾向にあるが、強い台風が増える。梅雨期の降水量は増え、梅雨明けが遅れる可能性がある。