第5回環境研究機関連絡会成果発表会

セッション2 影響、適応、脆弱性(地球温暖化の影響を予測し、対応する)
気候変動の影響予測と適応策(リレープレゼンテーション)
(1)極端現象(台風・梅雨期の降水)の予測

国土交通省 気象庁気象研究所中村 誠臣

概要

極端現象(台風・梅雨期の降水の予測…気象研究所・気象庁・地球科学技術総合推進機構で開発された20km格子の全球大気気候モデルと5km格子の領域気候モデルを使って、現在気候下での気候再現実験、地球温暖化時(21世紀末)の気候予測実験を行った。その結果、台風と梅雨期の降水について、地球温暖化の影響として以下のような予測結果が得られた。

  • 強い台風の発生数は増加する。地球全体の熱帯低気圧の発生数は減少するが、台風の発生数については不確実性がある。
  • 太平洋高気圧が日本の南海上に停滞するため、梅雨前線の北上が遅れ、梅雨明けが8月まで遅れる傾向が見られる。
  • 大気中に含まれる水蒸気量が増え、さらに太平洋高気圧も強まるため、その西端を回って南海上から西日本に流入する水蒸気量が増大する。このことにより、西日本や日本の南海上では降水量が増える。特に、強い降水の割合が増大する。

 

講演内容