第13回環境研究シンポジウム

「2050年の地球と暮らし-環境技術と地球規模課題-」の開催にあたって

 環境研究機関連絡会は、環境研究に携わる国立、国立研究開発法人及び国立大学法人の13研究機関が情報を相互に交換し、連携を密にしながらそれぞれの環境研究に係る活動を推進するとともに、その活動及び成果を広く社会にお伝えすることを目的としています。このため、当連絡会では毎年「環境研究シンポジウム」を開催し、広く研究者や行政関係者、市民の皆様に最新の環境研究の成果を発信してまいりました。

 さて今回、第13回環境研究シンポジウムのテーマは、「2050年の地球と暮らし‐環境技術と地球規模課題‐」です。21世紀の折り返し地点として、さまざまな分野で『2050年』がキーワードになっています。我国では東京-大阪間にリニアモーターカーが開通し、人の流れや生活も大きく変化していることは間違いありません。一方、世界人口が100億人程に到達し、その莫大な人口を養うためには世界全体の食用生産を70%増加させる必要があるとも言われています。

 そのような社会構造の変化に伴うエネルギー使用の増大に伴い、このままの状況が継続されるならば、気候変動がますます顕著となり、人類の生存や「健康的な地球」の維持が困難となることは必至です。2050年は今日誕生した赤ちゃんが35歳になる年であり、それほど遠い将来ではありません。その時、「水をたたえた地球・ブルーアースと私たちの暮らしはどうなっているのでしょうか?」。本シンポジウムはその未来の姿を「科学の眼で見るとどうなるか?」について、専門家集団が描くその予想図を皆様に見ていただく機会となるよう企画したものです。各研究機関で環境研究に従事している第一線の研究者がそれぞれの研究成果をもとに、最前線の成果をお届けします。

 あわせて、各研究機関の環境研究の成果を約100題のポスター発表として展示しております。本日ご参集頂きました皆様には、講演はもとよりポスター発表を通して、私たちの研究活動にご理解を頂くとともに、忌憚のないご意見を賜ることができましたら幸いです。



(平成27年環境研究機関連絡会事務局)                
国立大学法人筑波大学 学長補佐(特命:環境)・教授 白岩 善博