第7回環境研究機関連絡会成果発表会

講演3 森と海のつながりによる豊かな生物相づくり

発表者:独立行政法人森林総合研究所 森林植生研究領域 群落動態研究室 室長正木 隆
情報提供期間:独立行政法人水産総合研究センター、独立行政法人土木研究所

概要

陸には陸の、海には海の生態系がある。しかし、両者はたがいに独立した存在ではない。河川を通じて両者の間には物質や生物の移動があり、それぞれに影響をおよぼしあっている。最上流の森林域では、渓流へ砂礫、栄養塩類、有機物等が流入する。それらの量・質は、降水量に応じて変化するだけでなく、水辺林がよく保全されていればその機能によって適度に調整される。中流・下流域では、上流からの物質の供給量のみならず、河川の管理方法によっても、底生動物のバイオマスや種類などが変化する。そして、流れの行きつく先の海洋、とくに内海や内湾では、河川からの流量や栄養塩類負荷によって生物の生息環境が左右されることになる。このように、沿岸海域の環境は、流域を貫く河川周辺の自然管理のあり方と密接に関わっている。したがって、陸域と水域の生物相を豊かに保つには、両者の間のつながりを意識した森林及び河川の管理が必要である。

講演内容