第1回環境研究機関連絡会研究交流セミナー

「生態系ネットワークの保全と再生」開催

 生態系ネットワークは、生物が生息・生育する様々な空間(森林、農地、都市内緑地・水辺、河川、海、湿地、干潟、藻場、珊瑚礁等)がつながる自然のネットワークのこととして使われる言葉であり、その保全と再生が課題となっています。例えば国土形成計画(国土交通省、平成27年8月)や生物多様性国家戦略2012-2020(環境省、平成24年9月28日)等においては、生態系ネットワークの形成と保全・再生の推進等が位置づけられており、グリーンインフラを社会資本整備や土地利用等を進める上での全般的な取組として普及・促進する動きがある中において、生態系ネットワークの保全と再生は重要なテーマです。 生態系ネットワークは、本質的には上述した通り広範な分野にまたがるものでありますが、これまで行われてきた生態系ネットワークの保全と再生に関する取組は、河川と農地といった狭い範囲での取組にとどまっており、様々な分野の研究者が共同した取組を実施することが必要と考えられます。
 環境研究機関連絡会には様々な分野の研究機関が参画しており、生態系ネットワークについて議論する場として適切であると考えられます。本テーマに関する研究について環境研究機関連絡会内で情報共有及び連携の在り方を議論することを目的として、令和元年度研究交流セミナーを開催いたします。

その内容をご紹介します。

プログラム

                                        
【講演】(つくば国際会議場)
13:00 開会挨拶

国立研究開発法人土木研究所
     理事長
西川 和廣

13:05 研究交流セミナー
    趣旨説明

国立研究開発法人土木研究所
     河川生態チーム上席研究員
中村 圭吾

13:15 基調講演

国交省における生態系ネットワーク形成の取り組み

講演者:国土交通省 水管理・国土保全局 河川環境課

13:45 ポスター発表               

ポスター発表要旨集

                       

グリーンインフラと防災-最近の農業気象災害を例として-

国立研究開発法人防災科学技術研究所  横山 仁

              

西表島網取湾におけるサンゴの白化現象

国立研究開発法人防災科学技術研究所  村上 智一

              

粘土鉱物を利用した環境浄化材料開発

国立研究開発法人物質・材料研究機構  田村 堅志

              

水産廃棄物であるウニ殻を活用したフッ化物イオン除去剤の開発

国立研究開発法人物質・材料研究機構  菊池 正紀

              

農地の生物多様性・生態系サービスを高めるには?

国立研究開発法人農業・食品産業総合研究機構  馬場 友希

              

奄美・やんばるにおける森林利用と生物多様性保全の調和を図る研究

国立研究開発法人森林研究・整備機構  阿部 真

              

外来種による生態系連結とディスサービスの事例

国立研究開発法人森林研究・整備機構  亘 悠哉

              

半自然草原での防鹿柵設置による絶滅危惧動植物の保全

国立研究開発法人森林研究・整備機構  小山 明日香

              

我が国固有の内水面生態系の保全と再生に向けた新たな外来魚の防除技術

国立研究開発法人水産研究・教育機構  岡本 裕之

              

サンゴ礁における褐虫藻の役割

国立研究開発法人水産研究・教育機構  山下 洋

              

東京湾における有用魚介類の卵稚仔に貧酸素水塊が及ぼす影響の解明

国立研究開発法人水産研究・教育機構(千葉県水産総合研究センター)  三田 久徳

              

水環境診断用センサアレイチップ〜細胞応答性核酸の迅速センシング〜

国立研究開発法人産業技術総合研究所  青木 寛

              

地域気候モデルで予測された日本の将来の気候
〜細胞応答性核酸の迅速センシング〜

国土交通省気象庁気象研究所  村田 昭彦

              

砂浜における魚類調査から見えてくる海と川のつながり

国土交通省国土技術政策総合研究所  渡邊 国広

              

急傾斜地崩壊防止施設と斜面植生
~植生を活用した施設の維持管理手法の検討事例~

国土交通省国土技術政策総合研究所  金澤 瑛

              

AIによる緑視率調査の効率化と緑化意識の啓発に向けた検討

国土交通省国土技術政策総合研究所  大橋 征幹

              

都市域の緑地の量・質・配置と生物多様性の関係

国土交通省国土技術政策総合研究所  益子 美由希

              

多様な海生生物に適したシースケープの検討

国土交通省国土技術政策総合研究所  秋山 吉寛

              

東京都総合設計制度により創出された緑化の特徴

国立研究開発法人建築研究所  熊倉 永子

              

東京23 区における建物緑化の使用樹種調査

国立研究開発法人建築研究所  武田 ゆうこ

              

人工的な湖口開削が沿岸植生域の炭素貯留に与える影響

国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所  渡辺 謙太

              

潜在分布に基づく孤立生息域サイズと河川性魚類の在不在の関係

国立研究開発法人土木研究所  末吉 正尚

              

河道内氾濫原と水田域におけるカエル類の生息状況の比較

国立研究開発法人土木研究所  田和 康太

              

「つくば生きもの緑地ネットワーク」の提案

国立研究開発法人国立環境研究所  石濱 史子

              

海中栄養塩がサンゴ捕食者オニヒトデの幼生分散にもたらす影響

国立研究開発法人国立環境研究所  熊谷 直喜

              

伊豆諸島における鳥類を介した島間種子散布

国立研究開発法人国立環境研究所  安藤 温子

              

歴史的な草原が守る生物多様性:草原生態系を結ぶ全国ネットワークは可能か?

国立大学法人筑波大学  田中 健太

              
(休憩・懇談 15分)
14:45 総合討論

コーディネーター:国立研究開発法人土木研究所
     水環境研究グループ 河川生態チーム 上席研究員
中村 圭吾


パネラー:国立研究開発法人土木研究所
     研究員
森 照貴
     生態系ネットワークにおける水のつながり:生物多様性の保全と減災

  

      国立研究開発法人農業・食品産業総合研究機構
     領域長
小林 浩幸
     生態系ネットワークの保全と再生に関係する取組み

  

      国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所
     沿岸環境研究グループ長
桑江 朝比呂
     陸はどのような影響を海に与えているか-炭素の目から-

  

       国立研究開発法人森林研究・整備機構
     生物多様性研究拠点長
岡部 貴美子
     生態系ネットワークの保全と再生
     -森から海までのつながり・現状と課題-

  

       国立研究開発法人水産研究・教育機構
     研究開発コーディネーター
児玉 真史
     水産における生態系ネットワークの諸問題

  

       国立研究開発法人国立環境研究所
     生物・生態系環境研究センター長
山野 博哉
     生態系ネットワークにおけるさまざまな課題
     -情報共有と連携に向けて-

  

       国土交通省国土技術政策総合研究所
     室長
舟久 保敏
     都市におけるエコロジカルネットワーク形成に関する現状と課題

  

       国立研究開発法人建築研究所
     グループ長
足永 靖信
     水、緑のネットワークと都市の風の道

  

       国土交通省気象庁気象研究所
     室長
村田 昭彦
     気候変動に伴う環境の変化が
     自然・環境・都市に及ぼす影響についての現状の分析と課題

  

      国立研究開発法人防災科学技術研究所
     コーディネーター
横山 仁
     気候変動に伴う環境の変化が
     自然・環境・都市に及ぼす影響について現状の分析と課題
     グリーンインフラと防災-最近の気象災害現場での事例から-

  
16:55 閉会挨拶

国立研究開発法人国立環境研究所
     研究担当理事
森口 祐一

 

開催の詳細

日時

令和元年12月13日(金)

13:00~17:00

会場

つくば国際会議場 大会議室101

茨城県つくば市竹園2-20-3、つくば駅から徒歩10分

主催 環境研究機関連絡会